配置転換・栄転で喜びも束の間
独立して数年で2,000部程のお店から、本紙約4,000部(取紙5,000部)+協力紙1,000部弱の合計5,000部のお店に栄転した30代若手の所長さん。
単純に考えても倍以上の売上なので、本人も相当喜んだことでしょう。
元々は老舗の会長店として、2代目所長が経営していましたがコロナ禍で折込チラシの減少に歯止めがかからず廃業。
後任としてこの30代若手所長に白羽の矢が立ちました。
お店は首都圏の駅前にありますが、折込は少なく部あたり1,000円を切っていると思います。
店舗は2代目所長の親が建てた4階建ての自社ビルで、1階が作業場、2階が事務所、3階、4階は住居となっています。
ちなみに先代の所長は廃業後もこの自社ビルの4階に住んでおり、店舗家賃として毎月150万円を払っていました。
引継ぎ後最初に行ったこと!
お店を引継ぎ後に最初に取り掛かったのが、区域調整をして配達人員の削減と読者に口座振替やコンビニ払いを推奨して、集金人や集金手当の削減などの施策を行いました。
幸いにも新聞の店着時間は協力紙が0時頃、本紙0時30分頃なので、配達時間には余裕があります。
しかし配達エリアが広い(配達エリア17区域)こと、駅前でマンションも多いがちょっと離れると階段や坂が多く、配達部数のわりに時間がかかること、先代からの残った従業員さんが高齢な方が多いこと(70代が3人)などの問題がありました。
また折込パートさんが4人いて、チラシが少ないにも関わらず、いつも遅くまで機械を回している状況なのでその分人件費がかさみます。
せっかく倍以上の部数規模のお店に移動したにも関わらず、人件費や家賃の問題もあり毎月赤字だったようです。
若手所長が次に行ったこと!
引継ぎ後1年立っても状況は好転せず、1年半後にはさらに2区域配達区域を減らします。
しかしこの施策が裏目に出て、元々いた従業員さん達が次々に辞めていきます。
配達人が足りなくなり、年中バ◯トルに求人広告を出し続けるという悪循環に陥ります。
担当のトドメの一言
人がどんどん辞めていき臨配を6人入れて何とか配達を回していましたが、経営はどんどん厳しくなり資金ショートは目前の中、訪店時に担当からの一言が

この一言がトドメとなり、引き継ぎ後4年で自廃する決心をつけました。
どうすれば立て直せたのか!?
最初に引き継ぎの条件として、家賃150万円で先代の自社ビルを店舗として借りるのは仕方がないとしても、
①早々に家賃減額交渉や他にもっと安い店舗を借りるなどの必要があったのではないか?
②引継ぎ後早々に配達スタッフと折込パートさんを募集して、人員の入れ替えが必要だったのではないか?
※折込パートさんを全員切って、社員で交代で折込を回すのもひとつの手だったかもしれません。
特に②の以前からいる古株の従業員の問題で、経営改革が上手くいかないお店の話しはよく聞きます。
新聞販売店の経営は単純に部数規模だけでは図れないところがあるというような事例でした。