この2年間で4人の臨配さんが入院!!
この2年間で病気で緊急入院した方が3名、配達中に事故を起こして緊急入院した方が1名います(40代、50代、60代2名)
4名のうち3名はその後働けなくなり、1名はまだ現在入院中ですが多分臨配としての復帰は難しいと思います。
病気や事故は年齢関係なく誰にでも起こりうるもので、もし臨配さんたちが突然の病気や事故で入院した場合の対応について解説します。
ケース1️⃣保険証も住居もない状況で、入院費用が自費で払える場合
■ 1. 保険証がなくても、費用を支払えるなら入院は可能
医療機関は保険証がない患者でも受け入れ可能です。
この場合、医療費は全額(100%)自己負担になります。
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初診料
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検査代
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点滴・投薬
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入院料(1日あたり数万円〜)
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手術代(高額になる)
などを、そのままの金額で請求されます。
■ 2. 「保証人」がいないと入院NGの病院もある
多くの病院は、入院契約時に
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身元引受人(保証人)
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緊急連絡先
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住所
の提出を求めます。
しかし、保証人不要の病院・公立病院・救急医療体制の病院では受け入れることがあります。
また、お金を持っている場合、次のような対応がされることがあります。
●【よくある対応】
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デポジット(保証金)の預け入れ(例:10万〜50万円以上)
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預かり金を超えたら追加預入を病院側が要求
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退院時に精算
つまり「お金が払えるならOK」という姿勢の病院もある、ということです。
■ 3. 住所不定でも、入院自体には支障はあまりない
病院は「今いる場所」で受付ができ、住所の有無は問われません。
ただし、書類は「住所不定」と記載されます。
■ 4. 自費で払える場合でも、行政につながれることがある
医療ソーシャルワーカー(MSW)が必ず状況確認をします。
なぜかというと、
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退院後にホームレス状態になる可能性
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「払える」と言っていたが後で支払えなくなるリスク
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身寄りなしの場合の緊急時対応
などが関係するからです。
お金を払えても、以下のように行政につながれることがあります。
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一時保護施設の紹介
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生活保護の案内
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住居確保給付金の案内
必ずしも生活保護に誘導されるわけではありませんが、
「退院後に路上になる危険」があると病院は対応します。
ケース2️⃣保険証も住居もない状況で、入院費用が自費で払えない場合
■ 1. 緊急の場合は「支払い不能」でも救急受け入れされる
医師法・医療法の規定により、
命に関わる状態なら支払能力に関係なく応急処置は必ず行われます。
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救急搬送
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緊急手術
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応急入院
これらは拒否できない仕組みがあります。
■ 2. 入院継続が必要だが支払えない → 医療ソーシャルワーカーが必ず介入
支払いが難しいとわかった時点で、病院の 医療ソーシャルワーカー(MSW) が本人の状況確認を行い、次のいずれかの支援へつなぎます。
■ 3. 最も一般的な対応:生活保護の申請(医療費が全額公費)
住所不定でも申請できます。
生活保護が決まれば
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医療扶助で入院費・診療費が100%公費負担
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退院後の住居も確保
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食費・生活費も支援
病院は未払いリスクを避けるため、
「支払えない → 生活保護申請」の流れを強く勧めます。
■ 4. 申請が決まる前でも「医療保護入院」が可能
精神疾患や認知症、判断能力低下などの場合は
医療保護入院(公費負担)になることもあります。
■ 5. 一時的に行政の緊急保護(シェルター同行)になることもある
退院後の行き場がない場合
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行政の一時保護施設
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ホームレス支援施設
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自立支援センター
などが利用されます。
■ 6. 支払い不能だが生活保護を拒否した場合
生活保護を本人が拒否し、かつ支払えない状態が続くと、病院側は
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長期入院の継続が難しい → 転院調整 または 退院勧告
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行政と連携して支援団体へつなぐ
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最終的には路上に戻るケースもあり得る
ただし、医療上退院不可(症状が重い)なら継続されます。
■ 7. 病院が負担するわけではない
未払いのまま放置されることはなく、
行政の公的支援につなぐことが前提になります。
病院側が費用を負担することは基本ありません。
■ 8. 結論(要点整理)
✔ ① 緊急時は支払えなくても治療される
✔ ② 支払不能なら、医療ソーシャルワーカーが行政に連携
✔ ③ もっとも一般的なのは「生活保護 → 医療費全額公費」
✔ ④ 住所不定でも保護は受けられる
✔ ⑤ 拒否すれば退院調整されるが、重症なら継続入院
ケース3️⃣万が一病院で亡くなった場合
■ 1. まず病院が死亡確認(死亡診断書の発行)
本人が病院で亡くなった場合、
医師が 死亡確認 を行い、死亡診断書(死体検案書) を作成します。
この時、保証人や家族がいなくても手続きは進みます。
■ 2. 身元が不確定 → 警察・行政と連携して身元調査
住所不定、所持品なし、家族不明の場合は、病院は次を行います。
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警察に連絡
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行政(市役所)へ連絡
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所持品・携帯・特徴から身元調査
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指紋照合や照会が行われることもある
身元が判明すれば、親族へ連絡が行きます。
■ 3. 親族が見つかる場合:親族へ引き取り依頼
親族が見つかった場合、
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遺体の引き取り
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葬儀
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火葬
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費用負担
について親族へ照会されます。
ただし、親族が拒否するケースも多く、その場合は次へ進みます。
■ 4. 親族なし・引き取り拒否 → 行政が「公費(税金)」で対応
身寄りがない、または親族が拒否した場合は、
自治体(市区町村)が亡くなった方を引き取る義務があります。
これは「行旅病人及行旅死亡人取扱法」という法律に基づきます。
行政が行う内容
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遺体の引き取り
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火葬(簡易のもの)
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埋葬(多くは合葬墓・納骨堂)
葬儀は簡易的なものになり、いわゆる一般的な葬式は行われません。
費用はすべて 公費(税金) で処理されます。
■ 5. 病院への未払いはどうなる?
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生前の治療費
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入院費
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手術費
これらが未払いでも、
行旅死亡人として扱われる場合は、病院に請求されず処理されるのが一般的です。
病院が赤字負担するわけではなく、行政が担当し、
国からの補助・自治体の予算で処理されます。
■ 6. 遺体の保管期間(通常2~7日程度)
親族探索のため、
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病院の霊安室
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警察の安置室
で一定期間保管されます。
その後、引き取りがなければ行政が火葬に移ります。
■ 7. 火葬後の遺骨はどうなる?
身寄りがいない場合、
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市の合葬墓(合同墓地)
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納骨堂
などに無縁仏として納骨されます。
遺骨は数年間保管後、合葬される自治体もあります。
ケース4️⃣万が一入店先の寮で亡くなった場合
請負先(新聞販売店)の寮で、
住所不定・身寄りなし・保険なし・支払能力なしの人が突然亡くなった場合、
対応は 「病院で亡くなった場合」とほぼ同じ枠組み ですが、
**死亡場所が「医療機関ではない」**という点で手続きが少し変わります。
現場の実務に基づき、最も正確な流れをまとめます。
■ 1. 発見時:まず「警察」が主導で対応する
寮で亡くなっているのを発見した場合、
救急 → 警察 の順で通報します(119 → 110)。
死亡が医療機関外なので、
医師が死亡確認する前に警察が現場確認をする必要があります。
警察は以下を行います:
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現場の確認
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外傷や事件性の有無の判断
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持ち物や身分証の確認
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連絡先の特定
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必要なら検視・司法解剖
※事件性が疑われなければ「異状死(病死の可能性含む)」として処理されます。
■ 2. 病院へ搬送 → 医師が死亡診断書または死体検案書を発行
警察による現場確認後、遺体は病院へ搬送され、
医師が正式に 死亡診断・死体検案 を行います。
■ 3. 親族を探す(警察・行政・販売店・臨配団も協力求められる)
警察は、
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携帯電話
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所持品
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臨配団からの情報
をもとに、親族を探します。
※ ここで臨配団に求められる可能性のあるもの
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本人が紹介された際の身元情報
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緊急連絡先
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本人の登録情報
■ 4. 親族が見つかる場合
親族に連絡がいき、
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遺体の引き取り
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葬儀
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火葬
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費用負担
が依頼されます。
ただし、親族が拒否するケースは非常に多いです。
■ 5. 身寄りなし or 親族拒否 → 行政による「行旅死亡人(こうりょしぼうにん)」扱い
親族不明・拒否・連絡不能の場合、
死亡地の市区町村が対応します。
行政が以下を行います:
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遺体の引き取り
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火葬
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埋葬(合同墓など)
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費用はすべて公費(税金)
これは 行旅病人及行旅死亡人取扱法 という法律に基づいています。
■ 6. 費用は誰が払うのか?
● 亡くなった人に資産があれば
預金・現金・所持金から引きます。
● 資産がなければ
全額 公費(自治体負担)で処理されます。
● 販売店・臨配団が
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遺体引き取り
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葬儀費
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火葬費
を負担する必要はありません。
法律上の義務もありません。
■ 7. 寮の部屋はどう扱われるか?
家財・荷物が残っているため、通常は:
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警察の調査が完了した後
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行政 or 親族(いない場合は行政)と相談して
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荷物の扱いを決定
身寄りなしの場合は 行政が処分許可を出し、販売店や臨配団が処分する こともあります。
基本的に臨配団に法律上の責任はありませんが、道義上の責任として、本人が動けない又は亡くなった場合は「生活保護」や「保険証」申請手続きのお手伝い又は臨配さんの身の回りの世話など、その他にも「入院費用の立替」「部屋の片付け」などは対応する必要があるかもしれません。
臨配さんに万が一のことがあった場合、実績・信用がある臨配さんと、実績も信用もない臨配さんでは、臨配団側もその後の対応は変わってくるのは間違いありません。

